ゴーシャ・ラブチンスキーが「ディーゼル」とコラボ

「ディーゼル(DIESEL)」は5月18日、ゴーシャ・ラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)による新プロジェクト「ジーアール ユニフォルマ(GR-UNIFORMA)」とコラボしたカプセルコレクションのローンチイベントをドイツ・ベルリンで開催した。同コレクションは、新世代の革新的なデザイナーを招いて、「ディーゼル」のDNAを再解釈する「レッドタグ プロジェクト(Red Tag Project)」の第3弾。会場にもなったベルリン中心部のミッテ地区にオープンしたポップアップストア(Torstrasse 67, 10119 Berlin)で5月25日まで販売された後、世界の一部店舗やオンラインストアで発売される。また、同プロジェクトのディストリビューションはショールームのトゥモロー(TOMORROW)とタッグを組んでおり、ロンドンのセルフリッジやモスクワのKM20といった百貨店やセレクトショップでも扱われる。日本では6月中旬から、「ディーゼル」の一部店舗とオンラインストア、一部のセレクトショップで販売予定だ。

自身の名を冠したブランドを昨年休止したゴーシャは、「ジーアール ユニフォルマ」では写真やビデオ、映画、パフォーマンス、音楽などの表現を通したアートプロジェクトの一環としてコレクションをデザインしていく。今回のコレクションでも目指したのは新しい種類の“総合芸術”で、体育館で行う仮想のオペラのためのユニホームをイメージ。ポップアップストアには、会場のセット模型やセットを想起させる木製の枠組み、プログラムの構想が記されたルックブックなども置かれていた。もともとは「第58回ベネチア・ビエンナーレ(VENICE BIENNALE)」でアートパフォーマンスと共に発表すると報じられていたこともあり、実際にオペラ公演の実現を計画していたのかもしれない。

そんなコレクションは、演劇や音楽などを含む20世紀初頭に見られた芸術運動「ロシア・アヴァンギャルド」と、1990年代のデニムトレンド、ワーク&ユーティリティーウエアから着想。赤、黒、グレー、オフホワイトを中心に、カラーブロッキングのパッチワークやグラデーション、同系色のワッペンを取り入れているのがデザインのポイントだ。「ディーゼル」の核であるデニムは、ボイラースーツ(つなぎ)やジップアップのジャケット、履き口にボタンを配したジーンズ、ショートパンツなどで提案。スエットやコットンのアイテムも豊富で、ボクシングパンツやワッペンがあしらわれたタンクトップは、レトロスポーティーな雰囲気を醸し出す。また、ガムソールのスニーカーはローカットとハイカットをそろえる。価格帯は、ウエア90~1000ユーロ(約1万~12万円)、スニーカー220~250ユーロ(約1万3700〜3万円)など。

ゴーシャは新プロジェクトについて、米「WWD」に「自分にとって何か新しいことに挑戦したかった。そこで音楽アルバムのレコーディングをしたり、オペラについて考えることにしたんだ。今までやったことのないことに取り組むには学ぶ時間が必要で、とてもワクワクしている。ランウェイショーのやり方はよく知っているけど、オペラに関しては知らないからね。そして、それがリアルなオペラでないとしたら、そのアイデアをどう表現すればいいかと考えた」と説明。そして、「デニムは、今日のユースにとってワードローブの重要な一部。90年代後半、自分がティーンエイジャーだった時もそうだった。当時は『ディーゼル』が初めて鮮やかで力強い広告キャンペーンを展開し、ちょうどロシア初のショップがモスクワにオープンした頃。まだ若かった自分にとって『ディーゼル』のデニムを所有するのは夢だったけど、その夢が今かなった」と話す。

なお、同イベントはベルリンで同日開催されたファッション、アート、デザイン、テクノロジーを融合したイベント「リファレンス・ ベルリン(Reference Berlin)」のクロージングパーティーを兼ねて行われた。会場となったポップアップストアはコラボコレクションを1週間販売した後、内装を変えて「ディーゼル」の店舗として運営される。

「ナイキ」がヒット曲「Mo Bamba」で知られるラッパーのシェック・ウェスと協業

「ナイキ(NIKE)」が、ニューヨークのクリエイターとチームアップする“NYCエディション”のシリーズ第1弾として、ニューヨーク・ハーレム出身のラッパー、シェック・ウェス(Sheck Wes)との協業を発表した。

シェック・ウェスは、セネガルにルーツを持つ1998年生まれの20歳。「サウンドクラウド(SoundCloud)」での活動から人気を得た“SoundCloudラッパー”と呼ばれるラッパーの1人で、昨年リリースした幼なじみでNBA選手のモハメッド・バンバ(Mohamed Bamba)に捧げた楽曲「Mo Bamba」が、独特なメロディーやキャッチーな「BITCH!」の掛け声から驚異的なヒットを記録。その後、トラヴィス・スコット(Travis Scott)の「カクタス ジャック レコード(Cactus Jack Records)」や、カニエ・ウェスト(Kanye West)の「グッド・ミュージック(G.O.O.D. Music)」など複数の音楽レーベルと契約し、トラヴィス・スコットの最新アルバム「Astroworld」に参加したり、プシャ・T(Pusha T)のツアーに同行したりと、名実ともに人気ラッパーとなった。

また、もともとモデルとしても活動しており、最近では「ジョン エリオット(JOHN ELLIOTT)」2019年春夏コレクションのランウエイを歩いた他、「モンクレール Tシャツ コピー(MONCLER)」18-19年秋冬キャンペーンや「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」のルックに起用されている。

今回の“NYCエディション”では、“エア マックス 95(AIR MAX 95)”と“ブレーザー(BLAZER)”の2モデルをベースとしたコラボスニーカーと、Tシャツやフーディーなど5型のアパレルを用意。2モデルのスニーカーは、どちらもイエローとオレンジの左右で異なるシューレースになっている他、“ブレーザー”はヒールにシェック・ウェスの生活の拠点であるニューヨークとロサンゼルスのイニシャルがあしらわれている。

すでに海外の「ナイキ」店舗や一部セレクトショップで販売されているが、日本での取い扱いは未定だ。

キャンバスバッグの「リュニフォーム」が日本旗艦店に丸の内を選んだ理由は?

キャンバスバッグで知られるフランス発の「リュニフォーム(L/UNIFORM)」は4月23日、東京・丸の内仲通りに日本初の旗艦店をグランドオープンした。パリの旗艦店のデザインを踏襲し、ワンダーウォール代表でインテリアデザイナーの片山正通が内装を担当。壁面には、貴族や学者の博物保管室や展示室から着想を得た白いディスプレーボックスを配置し、一つ一つのバッグを展示販売している。

商品は“ユニフォーム(制服)”を意味するブランド名の通り、商品は角丸のスクエア型で統一感のあるデザイン。全部の商品がユニセックスで、子どもから大人まで使用できることから顧客幅が広い。セールスポイントのカスタマイズオーダーではキャンバス地やパイピングの色を選べ、イニシャルのスクリーンプリントを施すことができる。店内ではカスタマイズサンプルを用意しているほか、簡単にシミュレーションできるタッチパネルも設けている。

グランドオープンに合わせて来日した「リュニフォーム」のジャンヌ・シニョル(Jeanne Signoles)最高経営責任者(CEO)兼アートディレクターに、丸の内に店舗を開いた理由やデザインのこだわりを聞いた。

オフィス街でありながらも、落ち着いたショッピングエリアのある丸の内仲通りの雰囲気がとても気に入りました。「リュニフォーム」の商品はシンプルな日常使いのバッグや小物が中心なので、銀座や青山のように多くのラグジュアリーブランドが軒を連ねる場所よりも、丸の内のように仕事をしている人たちが集まる場所がブランドのコンセプトに合うと思ったからです。

内装を片山正通氏に依頼したのはなぜ?

片山さんとは10年前に日本を訪れたときに出会いました。そのときに見た彼のデザインに心を引かれ、14年にオープンしたパリの旗艦店のデザインも担当してもらったんです。片山さんと話す中で、私のデザインに対する考えや感覚に共通点を感じていました。片山さんはとてもスマートで、私の表現したいことをすぐに汲み取ってくださり、とても仕事がしやすかったです。また、祖父が建築家だったことから、私も建築が好きで、昔から日本人の建築家やアーティストに興味がありました。特に安藤忠雄の建築や杉本博司の作品がお気に入りです。

ブランドの世界観を100%表現するためにスタッフは自社で完結
日本のファッション市場をどう分析している?

ビジネス的にも個人的にも日本のファッションに魅力を感じてきました。日本の人たちはファッションに対する意識が高く、訪れるたびに新しいブランドを発見するのが楽しみになっています。また、日本市場に「リュニフォーム」を紹介するにあたって、日本に世界観を伝えることができる旗艦店を構えることが必要不可欠だと思っていました。そのブランドの世界観や思いを100%表現するためには、日本では代理店と契約せず、卸売りを行わずに、全てを自社で完結することが大事だと考えました。なので、日本の店舗はパリのオフィスが100%経営しており、ディスプレーやスタッフ採用も自社で行っているんです。現在は15人ほどのスタッフが日本にいます。

カスタマイズ用に日本の国花である桜のシルクスクリーンスタンプを作りました。色も桜らしい淡いピンク色にこだわっています。また日本には弁当の文化があって、花見をはじめとするピクニックを楽しむ人たちが多いと聞いたので、保冷性のあるランチバッグも用意しました。フランスでも販売しましたが、ビーチに行くときの日焼け止めクリーム入れにするという人もいます。また、この店舗にはカウンターを設置したので、いずれはカフェも併設した店舗にしたいと思っています。

商品は名前の通り、統一感のあるクリーンなデザインが特徴です。デザインのこだわりを教えてほしい。

日常使いできるものを作りたかったのでシンプルな形を追求し、その分色で遊べるようにしています。同じ形のバッグでも、色で自分らしさを表現して、自分だけの“ユニフォーム”を作れるという提案なんです。私の仕事は、柄や装飾にこだわる一般的なバッグデザイナーの仕事とは異なり、プロダクトをディレクションする感覚に近いです。キャンバス生地は耐朽性に優れたコットンとリネン素材を用いていて、定番カラーがブラック、ブルー、ベージュ、カーキ、レッド、イエローの6色あります。商品はフランス・カルカッソンヌにある自社工場で生産しています。

現在は70品番以上の商品がありますが、日本だと工具バッグ、サッチェルバッグなど実用性の高い商品が人気です。国を問わず売れ続けているミニリュックは最初に作った商品で、子どものおやつを入れるために作ったもの。大人も子どもも使えるサイズ展開になっています。

洋服やシューズなど、今後ラインを拡大するプランはあるか?

新たにサンダルを作り、夏に向けて日本でも販売する予定です。また、インテリア商品の開発も進めていて、クッションなどのホームコレクションも発売を計画しています。

アマゾンが仕掛ける「ガールズ ドント クライ」カフェ 限定アイテムと店内を公開

アマゾン ファッション主催の特別プログラム「アット トウキョウ(AT TOKYO)」は、4月20、21日に東京・原宿でオープンする「ガールズ ドント クライ(GIRLS DON’T CRY)」とのコラボカフェをプレス向けに公開した。

カフェでは渋谷のコーヒー専門店「アバウトライフコーヒー(ABOUT LIFE COFFEE)」のドリンクを提供するほか、公式サイト上で22日15時~5月7日に販売する特別アイテムの展示を行う。アイテムはTシャツ2型(7000円)やフーディー(2万円)バンダナ(2000円)、トートバッグ(5000円)、キャップ(7000円)をそろえる。カフェではTシャツやバンダナ、トートバッグの他、キーホルダー2種類(税込1500円、2000円)とマグカップ(同2500円)を販売する。

「ガールズ ドント クライ」を手掛けるVERDYは「ここまで大規模なポップアップは初めて。『アンブッシュ(AMBUSH)』をはじめ、『アット トウキョウ』には自分が尊敬するデザイナーが多数参加してきた。その一員になれて光栄だ」と喜びつつ「今までポップアップでの販売がメインだったため、一部の人しかアイテムを手に入れられなかった。アマゾンとタッグを組むことで、ECを介して全国の人にアイテムを届けられる。また、アマゾンのような大企業とタッグを組めたことは、今後の経験に生かせるはず」と意気込んだ。

ジェームズ・ピータース(James Peters)=バイスプレジデント兼ファッション事業部門 統括事業本部長は「VERDYは若い、ホットなデザイナーの1人。彼とは何かを一緒にできればと思っていた。VERDYの、ブランドをより広めていきたいという思いをアマゾンが提供する場所とECで広げていけるはずだ」と語る。「アット トウキョウ」の今後については「より顧客体験の方向にシフトしていく。他にも構想中だが、お客さまが一端を担うようなイベントにしていくつもりだ」と説明した。